♪ ムーン・リバー / メジャーorマイナー

『ムーン・リバー』は1961年公開の映画『ティファニーで朝食を』の劇中歌として有名な曲です。主演のオードリー・ヘップバーンが窓際に腰掛けて、ギターを弾きながらこの曲を歌うシーンは本当に素敵ですよね。作曲家のヘンリー・マンシーニは、この曲をオードリー・ヘップバーンの声域にあわせて1オクターブ+1音の範囲で作曲したと言われています。1オクターブ+1音と言う制約の中でこんな名曲を作ってしまうところが凄いと思います。

ウクレレも音域の狭い楽器なので、ウクレレ演奏に向いている曲と言えるかもしれません。映画の中ではKeyFで歌われていますが、私はKeyCでアレンジしました。

leleTAB『ムーン・リバー』

この曲のコード進行を解析してみると、その素晴らしさの秘密が少し見えてきます。下図はAメロのコード進行になります。(KeyC)

ここで少し音楽理論の話になってしまいますが、曲調にはメジャーとマイナーの2種類が存在することはご存じですよね。メジャーは明るい曲調、マイナーは暗い曲調のことです。

それでは『ムーン・リバー』はメジャー、マイナーどちらでしょうか?

メジャーのような気もするけど明るいだけではないような、かといって暗いだけでもないような…
こんな風に感じる人が多いと思います。あえて答えを出すのであれば ”メジャーとマイナーが両方存在する” が答えかもしれません。
先ほどのAメロをメジャーとマイナーの部分に分けると下図のようになります。

このようにムーンリバーは曲調がメジャーになったりマイナーになったりすることによってドラマチックな展開の曲になっています。
映画のストーリーも様々な問題(マイナー)にぶつかりながらそれを乗り越えて最後はハッピーエンド(メジャー)になっていますよね。
もちろんハッピーでともかく明るくで押しきる曲もありますし、ずっとマイナーで暗いまま終わっていく曲もあります。
メジャーとマイナーのさじ加減で曲の印象は随分変わっていきます。そして『ムーン・リバー』は、そのさじ加減が絶妙な名曲だと思います。

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